その171
物干し竿が雨に打たれてる。
洗濯物干して叱られて泣く。
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その172
狼男は昔、月で暮らす狼でした。恋人だった兎と別れて、
人の姿になったのです。兎の耳が短かったころの話です。
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その173
てるてる坊主には明日を天気にする力はないんだ。
ごらん、ひとばんじゅう流れ星に祈ってたんだよ。
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その174
僕は悪役だ。愛を信じているから、人質をとるんだよ。
主人公の君は愛など信じていない。この子を愛してる。
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その175
月は夜の美しさを語りました。太陽が夜を見に行くと朝になりました。
一足遅かったのですね。太陽は夜を見るために走る特訓を始めました。
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その176
今日は歯が痛くて会社に行きたくなかった。
歯が痛いの?
うん。
歯医者に行きなさいよ。
うん。
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その177
マッチ売りの少女は不良少女です。親に隠れてタバコを吸っています。
彼女は冷たい手をしています。釣り銭を受け取ると行ってしまいます。
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その178
僕はピエロです。綱渡りの途中で、落下するのが仕事です。留子が笑うと腹が立ちます。
私、あのピエロが好きなの。本当は僕がピエロなんだと言うと、また留子が笑いました。
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その179
夢を培養するシャーレ。目が覚めると空気にさらされる。
いつの間にか現実一色。どんな夢だったか思い出せない。
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その180
爪楊枝くわえてトイレに入るのはやめたほうがいいです。
くわえたまま出てきて女子に見られるおそれがあります。
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posted by みずすまし at 23:21|
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詩と断片
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