2013年01月05日

浦島次郎

兄が帰らないので次郎は亀を助けて龍宮へ。
「兄さん! いったい今なん時だと思ってるんですか」
次郎は土産にたまごをもらう。「そのなかにはおまえの未来が入っている。けっして割ったりせぬように」乙姫が注意書を読み上げる。

地上に戻ったが兄はおらず、おじいさんが泣いていた。太郎を見なかったかときくと、わしがその太郎じゃあと泣く。おどろいて次郎はたまごを落としてしまう。ぼわんと立ち上る煙。なかからもうひとりおじいさんが出てくる。あなたはだれですか。
「わしか、わしは次郎だ。
 うちへ帰ってごらん、兄さんが待ってるよ」
そして煙のように、ふたりのおじいさんは消えてしまう。
ラベル:短い話
posted by みずすまし at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ショートショート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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