泥棒の親分、すべり台しかない公園で何年ぶりかのすべり台。
夕方迎えに来たのはお母さんじゃなくて、泥棒の子分でした。
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その122
ビールの泡は人魚のあぶくでした。
王子さまはお酒におぼれています。
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その123
マグネット博士はS極を悪と考え、自分の体をまっぷたつに切断した。
N極だけが残ると思ったのである。
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その124
浮き輪を持ってみずくらげが山にやって来ました。
去年きくらげが海水浴に行ったとき、
沖に流されてしまった浮き輪でした。
今年もきくらげは海に行くことになりそうです。
風にとばされたみずくらげの帽子を持って。
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その125
相合傘の中が見えなくて、神様が嫉妬したのかな。
雨が上がりました。
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その126
今夜織姫は天の川ダム建設へ弁当を届けに行きました。
彦星がここで働いていることはお父さんには内緒です。
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その127
いつか ため息が風になる
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その128
今の身長174センチを2.7倍すると……約4.7メートルか。大人って大きかったんだな。
父がこれだとして祖父は約13メートル。およそ37代前の先祖で身長は1光年を超える。
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その129
別れた後は出会う前には戻らない。でもさ。
ねえ、もし、わたし死んだらさ、生まれる前に戻れるかなあ。
なんか、川見てるとなんか怖いな。金魚すくいしようか。
うん。すくってよ、金魚。いちばんおっきなやつ。
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その130
あなたの落としたのは、この金の原爆ですか?
いいえ女神様。私の落としたのは鉄の斧です。
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ラベル:いつかのことば