ある日、とても欲深いマゾのもとに悪魔が現れた。
悪魔「ふはははは、お前の望みを何でもひとつだけ叶えてやろう」
マゾ「あ、悪魔様、ちょうどいいところに! あのう、どうか僕をイジメて……。あ、いえ、イジメないでください。って言うか。つまり、僕の望みを絶対叶えないで欲しいんです」
悪魔「なぬ!? そ、それが、いわゆるひとつのお前の望みか?」
マゾ「はい」
悪魔「うーん。そうすると、どういうことになるのだ?」
マゾ「え。そんなの、僕が知るわけないじゃないですか。でも、僕のご主人様は、僕を簡単に悦ばせてくれるんですよ。悪魔さん、それくらい出来ないんですか?」
悪魔「ぬぬ、言わせておけば! よろしい、叶えよう」
マゾ「だから、叶えちゃダメなんですってば」
悪魔「あ、そうか。俺はいったいどうすればいいんだ……」
悪魔にはサドの才能がなかった。
posted by みずすまし at 21:07|
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